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深沢七郎/著
河出書房新社
1975年初版、四六判
短編小説集。表題作「無妙記」は、京都のテキ屋の男を、複数の登場人物たちとともに描いた作品。それぞれの思惑の中で、すれ違いながら生きる人物たちが描かれます。
どうせ人はみんな白骨になるもんだという主人公。『電車の中には白骨たちがいっぱい詰まって乗っていた。これから映画を見に行く白骨たちや、夕食の買い物に行く白骨たちや、(わたしの着ているお召の着物や西陣帯はなんと美しいことだろう)と思いながら乗っている白骨たちが顔を合わせたり、電車がゆれて触れそうになったりするが、お互いに黙り込んでいた』
他に「妖術的過去」「女形」「因果物語」「小さなロマンス」「妖木犬山椒」「村正の兄弟」「戯曲 楢山節考」収録。
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