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えとらんぜ　欧米絵日記 / 竹久夢二

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竹久夢二／著
ノーベル書房
1976年初版、新書判

『女はこすもぽりたんだ。女の服装が歴史的にも地理的にも、こすもぽりたんである如くに』

■目次
旅をする人はみんな好い人です
サンフランシスコの花嫁
東行國際列車
滞欧書信

異国情緒は夢二の作風の一部ですが、実際に異国の地にいる夢二には高揚感もなく、全体的に憂いの風情。体調もあまり優れず貧血で倒れる場面も。旅からの帰国後しばらくして亡くなるわけで、この頃には既に死の影を感じ取ってもいたのかも知れません。
アメリカから欧州まで2年以上かけてのぞんだ長旅にも関わらず、望郷の念を全く見せないところに夢二の孤独が伺えます。孤独を癒してくれる女性を求め、生涯を愛の流浪に過ごした夢二。行き着いた異国の地での彷徨の記録。